オオゴマシジミ

                   (画像をクリックして下さい、画像が拡大されます。)

蝶の中でもオオゴマシジミはかなりレア な蝶と言えます。

《一般の蝶の食性》

植物を食べる!(種類によって違う)
ナミアゲハ・・みかん等、モンシロチョウ・・アブラナ科(菜の花や大根等)、ヤマトシジミ・・・カタバミ科、 オオルリシジミ・・・クララ、等など。
《オオゴマシジミの食性》
3令までは植物、4令より蟻の幼虫を食べる
その植物はクロバナヒキオコシ、カメバヒキオコシの蕾や花を食べ、4令になるとクシケアリやヤマアシナガアリの 巣に運ばれそのアリの幼虫を食べる。自分の子供たちを食べられても蟻は蝶の幼虫には何もしない。 いや見ていると蝶の幼虫を蟻の触角で蝶の幼虫をたたいてから何やら噴き出た蜜のようなものを吸っている。 どうやらその蜜には蟻を酔わせる麻薬のような物があるのかもしれない。このようなオオゴマシジミは「好蟻性の昆虫」 の一つであり、まだまだ調べられていない謎の多い生物の一つである。
下記写真はまさしく蟻幼虫を丸呑みしているオオゴマの幼虫である。
蟻幼虫丸呑み 蟻幼虫丸呑み


オオゴマシジミの飼育

昨年(2007)は発生地のクロバナヒキオコシより採卵、採幼し、同時に同地の朽木に作ってある、シワクシケアリの 巣も探し、朽木を砕き、一群、幼虫も含め全部捕ってきた。 オオゴマシジミの幼虫は3令までクロバナヒキオコシの花穂で育て、3令の終わり頃より、蟻の飼育ケージに入れたら 、蟻の育児室に、旨い具合に運ばれた。 所が暫くしたら外に出されたのである。何度か育児室に戻したが、何度やっても外に出され、餌の蟻幼虫に有りつけず 死んでしまった。(原因不明、この蟻群の力不足か?) やむを得ず、越冬後の翌年の春、再度発生地に行き、蟻の巣を片っ端から開いて、育児室に既に入っている蝶の幼虫を探し 飼育再挑戦したところ、やっと成虫まで飼育する事が出来たのである。

但し、蟻群に蟻の餌を与え飼育することが蝶の幼虫を飼育する事になるのだ。
下記写真は幼虫の頭部と羽化後の成虫である。
オオゴマ幼虫 オオゴマ羽化

《飼育記録》
飼育経過を以下に示す。

2007、  、  、・・・採幼。クロバナヒキオコシで蝶幼虫飼育。同時に蟻飼育ケージ作成。
2007、  、  、・・・3令末、蝶幼虫蟻の飼育ケージに移す。
2007、  、  、・・・蟻育児室に蟻より連れて行かれる。
2007、  、  、・・・蟻育児室より外に出される。
2007、  、  、・・・蟻育児室に何度か戻したが、死亡。

2008、05、04、・・・発生地の蟻巣内の蝶幼虫採集。同時に蟻一軍も採集。
              蝶幼虫体長、 5.4mm
2008、06、03、・・・蝶幼虫体長、 7.6mm
2008、06、05、・・・蝶幼虫体長、 8.8mm
2008、06、05、・・・蝶幼虫体長、11.2mm
2008、06、19、・・・蛹化確認 体長、11.4mm
2008、06、30、・・・羽化確認
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