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- 蝶の旅
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平成16年6月2日 S.I氏O.N氏との旅の前に、昨年ロシアへの蝶採集にも一緒に行った
蝶仲間二人と成田で落ち合いウランバートルの空港に向かった。
13時30分に成田を発った機はおよそ5時間で到着。
こんなに簡単にモンゴルに降り立てるとは、いい時代に生きたものである。
(後で知った事であるがモンゴルの人は簡単に日本に来ることは出来ない。そのため私は
あるモンゴル人に保証人になってくれと頼まれたほどだ)
空港ではゾリゴ君と会社を経営している彼の叔父、サンボウ氏が車で迎えに来ていた。
ウランバートルのレストランにて夕食。さっそく朗報が待っていた。
モンゴルで蝶を採集するには、ロシアなどと同じく政府の許可を得なければならない。一人およそ一万円。さらに50
頭採集に付き2ドルとのこと。それが、代表者一人だけ許可を取ればよくなり、50頭採集
に付き2ドル払うのはこれからそうしたいということで、どうも来年あたりからになるらしい。
今回はいくら採っても大丈夫ということだ。
今回のモンゴルにおける蝶採集の目的について。
私は始めてなので何を採ってもモンゴルの蝶という事でコレクションが増えるわけだが、
今回同行の蝶屋二人は既に何度か来ており、蝶屋垂涎の的の中央モンゴルのパルナシ
ウス4種(添付4種の写真)の内3種は既に採集しているがテネデウスウスバが採れてい
ないのだそうだ。仲間の蝶屋はこのテネデウスウスバがねらいなのだ。
モンゴル、6月始めは蝶の発生の時期としては早いのであるが、テネデウスは他種よりも
早く発生して消えていく種類である。その為に今回はすこし早めの時期が決められたのだ。
私も昨年ロシアのマガダンでやっと採ったウスバキチョウの仲間であるパルナシウス4種
は是非採りたいと思っていた。
中央モンゴルのパルナシウス4種
この標本写真はコレクションコーナーに全種掲示してあり
“ここ”からリンクできます) |
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蝶の採集ポイントは、蝶仲間より集めた情報から事前に決めていた。ウランバートルから
東に約40キロにあるテレルジ、そこの亀岩奥のオオガレ場、逆に西の方のバヤンチャンド
マン、ナイリンダム国際キャンプ場、マンズシール国立公園等おもにウランバートルを中心
に1週間仲間の蝶屋と採集で過ごした。
初日のテレルジは気温が上がらず蝶影はうすく、やはり時期が早いのはまずかったのか
と心配したが昼過ぎから気温は上がりハイラルベニ、タカネヒカゲ類、チャマダラセセリ類等多数飛び出した。
テレルジの亀岩
宿泊はツーリスト用のゲルで、中に3台のベットとストーブがある。昼は30度近く気温があって
も夜はかなり寒い。朝早くキャンプ場の周りを散歩すると水溜りには氷が張っている。30度以上の気温差があるのだ。
バヤンチャンドマンではコアオシジミ、ルリシジミ、ジョウザンシジミなどが吸水に群がっている
のは壮観であった。種類も個体数も多く蝶の採集には面白いところである。
ここで偶然ベテラン蝶屋のK氏と会う。こんなところに来るのは地元の遊牧民と日本の蝶屋くらいなものであろう。
案内人、車の運転手とも網と三角紙を持たせて採ってもらう。同じものばかり採っていたが
中には良いものも入っている。彼らも結構楽しんでいたようだ。
1週間はあっという間に過ぎ、パルナシウスは一人がテネデウスを一頭採っただけで、私
ともう一人は見ることもなかった。実は私は後ほど、S.I氏とO.N氏と行ったチェンケルジクー
ル温泉にてアポロとホエブスを採集する事が出来る。
ミニナーダムのモンゴル相撲
テレルジからウランバートルに向かう途中ミニナーダムに遭遇。ナーダムとは毎年7月11日に、競馬、モ
ンゴル相撲、弓、それに曲芸などが
開催されるお祭りの事である。韓国の大勢の団体客向けに特別に開催したのだそうだ。その祭
りを見る事が出来たのは非常にラッキーであった。
6月9日の朝、仲間の蝶屋の帰国を見送り、一人旅になり、もちろん案内人同伴で再びテ
レルジへ。1週間前と蝶相はあまり変わっていない。テネデウスとの出会いも無し。
遊牧民の大移動のため国道の大きな木橋は交通止め 橋を渡り終えた家畜は河原に降りて水を飲む
テレルジのツーリストキャンプに一泊し、翌10日ウランバートルへ戻る。途中トール川に架かる
大きな木橋手前で交通止めだ。何事かと思うと橋は羊や牛が沢山渡っており車は通せんぼ。
ものすごい数の家畜で、遊牧民の大移動に出くわしたのだ。
家畜の群れは橋を渡り終えるとぞろぞろと河原に降りて水を飲み始める。移動途中の休息なのであろう。
ウランバートルに2日滞在して、S.I氏とO.N氏を迎える。
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