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グサコバ峠とカラムケの鉱山
6月25日 昨夜の星空が暗示した様に、信じられないような青 空が広がった。
この時期北極に近いこの地、朝早くから明るく、夜も9時まで明 るい。
朝いくら早く明るくとも気温が上がらないと蝶は飛ばない。
今日は良い蝶が採れるぞ、とはやる気持ちを押さえ、朝はゆっく り、まずはウスバキが生息するというグサコバ峠に向かう。
未舗装の国道をさらに北に約1時間、行けども行けども唐松の 林、いわゆるタイガと呼ばれる針葉樹林帯である。
やがて木の無い土地ツンドラに変わり、その向こうには火山性 の円形くぼ地のカルデラや、氷河に浸食されて形成されたカー ル地形がパノラマ状に連なる
標高約1,100Mのグサコバ峠に着く。
なだらかな国道の頂点で、両側にが瓦礫の山を抱く平坦な所で ある。
この時期雪が解けていっせいに咲きだした高山植物が美しい。
黄色いシャクナゲ、コケモモやガンコウラン、名のわからない種 類の花が一面に咲いている。
もちろんコマクサも咲いている。
日本で言えば上高地や立山などの樹林帯を過ぎた、高山植物 のお花畑にトラックが通る国道がある様なもの。
上高地や立山ではロープが張ってありちょっと足を踏み入れると すぐ監視人から注意されるのとは雲泥の差で、足を踏み入れよ うが寝転がろうが何の気遣いもいらない。
但しウラジでも感じたが、道路の両側にはやたら古タイヤやポリ タンク、さびたバスの屋根等が捨ててある。
Yuriにウスバキが飛びそうな場所の説明を受け、それぞれ網を 持って四方に散った。
気温が上がり11時頃まで粘ったが異常に蝶影が少ない。 Euchloe naina(シロチョウの一種)を一頭採っただけである。
それでもO氏がウスバキを一頭採ったようだ。
発生が遅れているのかもしれない。
もうすこし高度を下げ、カラムケンの鉱山に転戦した。
この鉱山は金の鉱山で今は廃坑になっている。
1991年のソ連邦崩壊以来、国は手を引いてそのままになって いるらしい。
鉱山に向かう道は途中の橋が崩落して誰も直さず、我々は迂回 して川の浅いところを車で渡った。
川に降りる斜面は急でボコボコ、川だって結構深そう、慎重に慎 重に運転して無事に渡り終えた時は全員思わず拍手。
運転手は照れて、日本製の車の性能が良いと言う。
坑道(廃坑)の入口を見ると氷柱でふさがっている。
外気温は暖かいのに不思議に思っていたが、このツンドラにあ る鉱山は永久凍土の上にあり、
廃坑は永久凍土まで通じてお り、富士の風穴の様に下から冷たい空気が来る為に、坑口に、 にじみ出ている地下水が凍って坑口が塞がっているらしい。
鉱山のボタ山に向かって、かって頻繁にズリ出しのトラックが往 来したであろう道路は今誰もいない。
その砂利道に何と一面にコマクサが咲いている。
そしてあたり一面になんとも香ばしいにおいがする。
コマクサの香りである。
昼飯を食べる時間も惜しんで、皆一斉に網を持って散らばった。
やがてH氏がウスバキの最初の一頭を仕留める。
次いでS氏も物にしたようだ。
私はPontia callidice(クサツキシロチョウ)とE,nainaを物にした だけでこの日の採集は終わった。
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